床暖房は輻射熱によって部屋全体を暖めることから、非常に快適性の高い暖房機器として定評があります。ところが実際に床暖房を導入して、「後悔した」という声も一部にあることは事実です。
そこでこの記事では、床暖房を導入して後悔したユーザーの理由についてまとめました。また、後悔しないための床暖房選びも併せてご紹介しています。
なぜ床暖房を導入で失敗してしまうのか?
床暖房をの施工をして、いざ使ってみたもののやっぱり失敗だった、後悔したと仰るユーザーさんも少なくありません。失敗したと感じるユーザーさんの多くは、次のような理由で床暖房の導入を後悔するパターンが多いです。
- 光熱費が高い
- メンテナンスが大変
- 暖まるまで時間がかかる
- 冬しか使わない
- 乾燥する
光熱費が思ったより高い
床暖房は、種類によっては光熱費が高くなってしまいます。
床暖房には「温水式床暖房」と「電気式床暖房」があり、また「温水式床暖房」の場合はエネルギーを供給する熱源設備に「ガス」「電気」「石油」などの種類があります。そして、それぞれの種類で光熱費が異なりますが、最も普及しているエアコンと比較しても高くなることが一般的です。
また床暖房は使い方によっても光熱費は大きく変わります。まず床暖房は立ち上がりで最も電力を消費するためスイッチの入り切り回数が多くなるほどエネルギーロスも多くなります。必要とする時間内はつけっ放しにしておくことも、光熱費を削減するコツのひとつです。
メンテナンスが大変
床暖房は種類によってはメンテナンスが必要です。その種類とは「温水式床暖房」になります。
「温水式床暖房」は床仕上げ材の下層に温水パネルを敷設しています。温水パネル内部には凍結やカビ、腐食などを防止するため不凍液が流れており、2~3年程度を目安として交換メンテナンスが必要です。このメンテナンスは意外に重労働で、面倒な作業が伴います。
さらに熱源設備は、10~15年程度を目安として専門業者による定期点検や法定点検などを実施し必要に応じたメンテナンスをする必要があります。ちなみに「電気式床暖房」の場合は設置後のメンテナンスは必要ありません。
暖まるまで時間がかかる
床暖房は起動して適温に達するまで一定の時間を要します。一般的なガス温水式床暖房だと20度に達するまで約1時間。そして電気時期床暖房だと5時間以上かかることも。
この点は床暖房の弱点ともいえる部分ですが、タイマー設定をしたり、あるいは立ち上がり時のみ他の暖房機器と併用したりするなど対策が必要になります。
ただし、床暖房はスイッチを切ってからしばらくは余熱が残ります。就寝前や長時間の外出前には余熱を利用することで、暖房効率を高めることも可能です。
冬しか使わない
床暖房は冬しか使用しないため、高いコストで導入する必要があるのかという意見があります。確かに冬にしか使用しない可能性もあるので、その点で後悔する人も少なくありません。
日本の住環境を考えたとき、暖房をどうするかという点は非常に大きなテーマです。
乾燥する
床暖房を使用すると室内は乾燥しやすくなります。そのため、ノドがイガイガする、肌がパサつくなどの影響で床暖房の導入に後悔が残る方もいます。
乾燥の原因は、相対湿度が低下するからです。
空気中には一定量の水分を水蒸気として含むことが可能で、その量のことを飽和水蒸気といいます。そして飽和水蒸気量は、温度が高いほど多く、低いほど少なくなります。つまり室内の水分量が変わらなくても、温度が高くなると飽和水蒸気量は増えるため相対的に湿度が低下するというわけです。
乾燥は対策することも可能ですが、過度にしてしまうと結露の原因にもなるため、湿度管理をすることも重要になります。
後悔続出?床暖房を設置して失敗した人の例
こちらでは、床暖房を実際に設置して失敗したという例をYahoo!知恵袋からチェックしてご紹介したいと思います。
電気代がエアコンより高い
家を新築された方にお聞きします
引用:Yahoo!知恵袋
出来上がってから後悔した所などありましたか
こうしたら良かったなど経験談を教えてください
新築して後悔したことはどのようなことなのかという質問がYahoo!知恵袋にありました。その質問に対する答えは次の通りです。
2年前に新築しました。
成功例
引用:Yahoo!知恵袋
・リビング収納(1帖)
・ダイニング収納(0.5帖)
・トップライト
失敗例
・床暖房
(エアコンと加湿器の方が電気代がはるかに安い)
失敗例として床暖房を挙げている人がいました。
その内容とは、エアコンのほうが電気代ははるかに安くなるということでした。たしかにエアコンは、暖房機器のなかでも電気代は安い特徴があるため、光熱費を考慮すると選択肢としては有効です。
ただしエアコンは10年ごとに寿命が来るということ、暖房方法が対流式になるため足元が冷えるなど体感温度の上昇効果は薄いというデメリットがあります。
導入コスト・ランニングコストが高い
床暖房を検討しているのですが、ランニングコストが高いとか効き目が悪くなるとか聞きます。大きな買い物なので、おすすめがあれば教えていただきたいです。
引用:Yahoo!知恵袋
床暖房を検討している人の多くは、毎月のランニングコストの心配をしてらっしゃる方が少なくありません。
その質問に対する答えは次の通りです。
床暖房は冬しか使わないのに、LDKだけの導入でもイニシャルコストが100万円近くかかります。また、床暖房(特にガス温水式)は効率も悪いのでランニングコストもかかります。
引用:Yahoo!知恵袋
こちらの方は、冬にしか使用しないのに導入コストが高く、またランニングコストも高くなることに言及しています。そしてその他にも同様の回答があります。
安くは無いですし、ランニングコストもかなりの物です。
単純に暖めるものは、めまい画するぐらいエネルギーコストがかかる可能性大です。
我家ものは、ガス発電ユニット(大阪ガスのエコウィル)の排熱を利用して床暖房するものです。ガス発電+浴室暖房のガス単価、かつ、電気も大阪ガスにして、電気単価も下げてです。電気にしろ、ガスにしと、何か単価が安くなるプランに乗っかった方が良いと思います。それを行っても光熱費はかなり物もですが、床暖房の快適さにかかる費用として耐えております。快適なのは間違いないですよ…
引用:Yahoo!知恵袋
この方は、床暖房が快適であることに触れながらも、ランニングコストが高いことを嘆いているように感じ取れます。
また熱源設備にはエコウィルを採用しているとのことですが、エコウィルはガスを燃料とする発電設備で現在はすでに製造を終了しています。電気を生み出す代わりにガスの消費量が増えることもあり、ランニングコストはプランによって大きく変わることになるでしょう。
そして床暖房は、種類や使い方でランニングコストは大きく変わるため、どの床暖房を採用するかという点でしっかり検討することも重要になります。
逆に床暖房を設置して成功した人もいる
続いては、床暖房を設置してよかったという例をYahoo!知恵袋からチェックしてご紹介したいと思います。
家を建てる時に床暖房設備をつけないと後悔する?
引用:Yahoo!知恵袋
新築するときに床暖房は設置するべきか、また設置しないと後悔するのかという内容の質問です。
その質問に対する答えは次の通りです。
床暖房付けた方は後悔ゼロだと思いますよ。
あの快適さは他にありません。付けないと後悔するかと云えば、自分なら間違いなくしますね。
引用:Yahoo!知恵袋
床暖房は、実際に設置するとその快適さを実感するようです。
その他の回答も見てみましょう。
付けた人は「絶対あった方が良い」と言い、付けなかった人は「なくても別に困らない」と言う傾向があります。
うちは電気シート式のものを付けて満足しています。足先が暖かくなると、幸せな気分です。電気代はそれなりに高いです。
余程寒い地域でなければ、「必需品」とまでは言えないですね。予算がギリギリなら止めるのもまた正しい選択だと思います。
引用:Yahoo!知恵袋
この方も言及していますが、設置している人にとっては「絶対に必要なもの」という思いが強いようです。
床暖房の快適さは遠赤外線を利用した輻射による暖房効果です。足元と同時に部屋全体を暖めることで、他の暖房機器にはない快適さを得られる点が床暖房の最も大きな特徴といえるでしょう。
床暖房の導入で後悔しないために考えるべきこと
床暖房を導入して後悔したことについて、6つの視点からご紹介いたしました。
これらは一般的に床暖房のデメリットとして捉えられることが多い内容でもあります。ではどうすれば床暖房の導入で後悔しないのか。色々と悩む部分もありますが、最終的に失敗か成功かを分けるのは「初期費用とランニングコスト」です。
この2つの料金面に納得できなかった場合、おそらく床暖房の導入後に後悔してしまうでしょう。
初期費用を抑えた床暖房を選ぶ
一般的に床暖房は温水式と電気式があり、2つの中で初期費用が高いのが「温水式床暖房」です。
温水式床暖房の初期費用が高くなる理由は、熱源設備に投資しなければならないからです。温水式床暖房の仕組み上、水を温めたてそれを熱源パネルに運ぶため、水を温める熱源設備が必要となります。その熱源設備の価格がピンキリで、高いものであれば100万円近くすることも。
一方の電気式床暖房は、カーボンフィルムなどを電気を通して床を温めます。もちろん熱源設備が必要ないので初期コストもグッと抑えることが可能です。
また、後から床暖房をお家のリフォームで導入する場合も電気式床暖房が有利です。電気式床暖房と温水式床暖房について、初期費用やコスト面などを含めて下記記事にまとめていますのでぜひ参考にしてください。
参考:温水式床暖房とは?温め方の仕組みやメリット・デメリットを紹介
参考:電気式床暖房とは?メリット・デメリットを8つ紹介
床暖房の種類をしっかりと見極めてランニングコストを抑える
床暖房の導入で最も後悔する人が多いのが、ランニングコストの高さです。使い方によっては、毎月のコストが1万円以上かかることもあり、エアコンのランニングコストより高くなってしまいます。
ですが、床暖房の種類によってはランニングコストをグッと抑えることも可能です。詳しくは下記記事をご参考ください。
1年間の利用する時期を見極める
人間が「ちょっと肌寒いな」と感じる温度が15度を下回った時とされています。下記は、市民化学研究室が発表した考察した温度と湿度から算出した不快指数表です。
肌寒くなってきたら何かしらの暖房をつけるかと思います。その目安となるのが15度前後なので、1年間の内にご自身が住んでいる地域で15度を下回る期間はどのくらいかを把握することで、どのくらいの期間床暖房を利用するかの目安を知ることができます。
一例となりますが、弊社が拠点を置く宮城県仙台市では1年間のうち6ヶ月間は平均気温が15度を下回ります。
つまり、この期間は床暖房を使うことが想定されます。1年の半分床暖房を利用するのなら、暖房器具として床暖房を選ぶのは間違いではないと言えるでしょう。逆に2〜3ヶ月程度しか使わないのでしたら、コスパが悪くて後悔してしまう可能性もあります。