床暖房導入を検討するにあたって、最初に発生する初期費用がどのくらい掛かるのかが重要項目の一つです。
初期コストに関しては床暖房の種類によっても大きく変わってきますし、施工を実施するリフォーム業者によっても大きな違いが見られるので、相場に関しては正確にコレだ!と言い切れないのが事実です。
そこで今回は、おおよその目安となる床暖房の設置費用をまとめました。あくまでも目安となりますので、大体このくらいの費用が掛かるのかと参考程度に見てもらえたら幸いです。
床暖房の施工方法は主に2つ
リフォームで床暖房を導入する場合の施工方法には「重ね張り」と「張り替え」の2種類があります。
「重ね張り」とは既存のフローリングなどは残した状態でその上に重ねて施工する方法で、「張り替え」とは既存の床材を撤去して新たに施工する方法です。
「張り替え」をするときは、既存の床材を剥がして処分する廃材処分費が必要になること、そして工期も長くなり人件費が余計にかかることから、コストはどうしても高くなってしまいます。
新築の場合は重ね張りや張り替えという概念はないですが、費用相場的には安く済む方の重ね張りに近い金額となります。
[/word_balloon]温水式床暖房の初期費用相場
温水式床暖房は、下地面に床暖房用の温水パネルを敷設し、その上にフローリングなど床仕上げ材を張った構造になります。
温水式床暖房の場合は、床暖房パネルに温水を供給する必ず熱源設備が必要です。既存の熱源設備が床暖房に対応しているようなら問題ありませんが、そうでない場合は新たな熱源設備の導入も必要になります。
それらを踏まえ、12畳のお部屋をモデルとした相場をまとめました。
熱源設備の相場目安
熱源設備 | 製品費用 | 設置費用 | 合計費用 |
---|---|---|---|
ヒートポンプ式熱源機 | 30〜50万円 | 5〜10万円 | 35〜60万円 |
多機能型エコキュート | 50〜120万円 | 15〜25万円 | 65〜145万円 |
暖房専用熱源機 | 5〜20万円 | 5〜10万円 | 10〜30万円 |
温水暖房付き給湯器 | 15〜20万円 | 5〜10万円 | 20〜30万円 |
エネファーム | 160〜220万円 | 25〜50万円 | 185〜270万円 |
熱源設備は安いものから高いものまで様々な製品が発売されています。多くの場合はガスを使った温水暖房付き給湯器を用いることが多いですが、多機能型エコキュートも長く使っていくなら選択肢として入れる人も少なくありません。
とは言え、熱源機だけで10万円以上の出費は確実なので、初期コストとしては少々高いことは否めません。
施工相場目安
施工方法 | 材料費 | 施工費 | 合計費用 |
---|---|---|---|
重ね張り | 30〜60万円 | 35〜40万円 | 65〜100万円 |
張り替え | 30〜60万円 | 55〜90万円 | 85〜150万円 |
熱源機を設置した上でリフォームを行う温水式床暖房の場合、「暖房専用熱源機」と「重ね張り」の最安の組み合わせにしたとしても、12畳のお部屋で最低でも75万円の初期コストが発生します。
かなり安い設置費用となるので、本来であればありえないレベルです。本来の目安であれば75〜130万円の中央となる100万円前後が、設置費用の相場くらいだと考えるのが妥当と言えます。
電気式床暖房の初期費用相場
電気式床暖房は、下地面に床暖房用の発熱体を敷設し、その上にフローリングなど床仕上げ材を張った構造になります。
リフォームで導入する場合の施工方法は、温水式床暖房と同様に「重ね張り」と「張り替え」の2種類です。電気式床暖房の場合は電源を接続する工事だけで機能するため、温水式床暖房と違って特定の熱源設備を必要としません。
したがって、導入時のコストはきわめて安くなることが大きな特徴です。
12畳の部屋をモデルとしてコストを算出したのが下記となります。
施工方法 | 材料費 | 施工費 | 合計費用 |
---|---|---|---|
重ね張り | 35〜65万円 | 15〜25万円 | 50〜90万円 |
張り替え | 35〜65万円 | 35〜65万円 | 70〜130万円 |
12畳モデルで重ね張りをした時、最安50万円ほどで設置することも可能です。しかし、実際にリフォームをすると最低金額で設置することはありえないレベルで、12畳モデルであれば80万円からが目安の初期費用となります。
初期コストの相場は温水式床暖房の方が高くなる
ここまで温水式床暖房と電気式床暖房の設置費用相場をまとめてきました。
結論を言うと、初期コストは確実に電気式床暖房の方が安くなります。
その理由は単純明快で、電気式床暖房は床にフィルムと床材を貼ってリモコンを設置するだけなので、材料費が少なく済むからです。
一方の温水式床暖房は温水パネルの上に床材を貼ってリモコンを設置し、さらに熱源機を取り付けなければなりません。また、熱源機と床暖房を繋ぐ工事もしなければならないため、施工費用が電気式床暖房よりも膨らみます。
リフォームなら電気式床暖房一択
最近はオール電化のご家庭も増えてきたため、温水式床暖房の主な燃料となる「ガス」を設置していない住宅も増加しています。そのため、リフォームで床暖房を設置するときにガスを使った温水式床暖房を導入するとなると、ガス会社との契約もしなければなりませんし、費用が膨らみがちになります。
また、マンションやアパートでは熱源機を設置できないこともあるので、リフォームで温水式床暖房を導入するのはおすすめできません。
リフォームであれば、熱源機が必要ない電気式床暖房がおすすめです。
ガスを使わず電気だけで動くのでオール電化のご家庭にもぴったりですし、熱源機の設置などもありませんから、施工費用も温水式床暖房よりも安く済みます。一昔前は電気式床暖房は低温やけどの危険性があると根拠のない噂が一人歩きしていましたが、現在は低温やけどを防ぐための仕組みがしっかりと施されている製品ばかりなので安心して使うことができます。
参考:床暖房で低温やけどが起こる原因!温水式が安全はデタラメ
当社の取り扱う床暖房にはオートダウン方式と呼ばれるシステムが採用されています。自動的に床温度を下げる仕組みで、低温やけどのリスクを最小限にしてくれます。
また、導入コストも安くランニングコストにも優れているので、一度チェックしてもらえたらと思います。