頑張って新しいキッチンにしたのに、なんとなく使い勝手が悪かった。イメージと異なったり、せっかく導入した設備も使わなかったなぁ、となることもあります。
知り合いは予算をケチって安価なレンジフードを導入したら、部品が多いうえに凹凸が多くて掃除が大変と嘆いていました。毎日使うキッチンですから、リフォームに失敗はしたくないと思っている方も多いでしょう。
そこでぜひ知ってもらいたいのは、過去に失敗してしまった事例です。こうすればよかった、ああすればよかったという声を知っておくことで失敗を防ぐことができます。
今回の記事では「使い勝手」「デザイン面」「メンテナンス」の3つに分けて、失敗する可能性の高いキッチンリフォーム例をご紹介します。過去の失敗例をしっかりと把握して、素敵なキッチンリフォームを実現させましょう。
使い勝手の失敗例
キッチンの失敗で多いのは、使い勝手にまつわる問題です。
使い勝手が悪いというのは、キッチンの用をなさなかったり、散らかる原因にもなります。まず最初は使い勝手の失敗例を見ていきましょう。
収納が使いづらい
最近のキッチン収納は引き出しタイプが主流です。調理器具が増え、大きなフライパンや調味料も収納できるようなデザインが多くあります。
ところが、予算をケチってしまったため扉タイプの収納にしたところ、使い勝手が悪くなってしまいました。イチイチしゃがまなければならず、調理器具や調味用もあまり入りません。奥に入れたものは、手前をどかさなければ出し入れできず、使い勝手が非常に悪くなります。
便利だと思った設備…意外と使わないことも
最新設備で、便利だと思ったものが以外と使わないことがあります。
例えば食洗機。共働き世代を中心として人気があります。時短家電として導入したものの、家族が少なく実際には手で洗った方が早いということもあります。また、洗える食器類が限られてしまうので、持っている食器によっては使えない場合もあります。
最新設備も、生活パターンに合っていなければ無用の長物ですね。
困った!コンセントがない
キッチンで多いのがコンセントがないという問題です。
最近はハンドミキサーやジューザー、ホームベーカリーなどのキッチン家電が豊富です。これらを使うときにコンセントは必要ですが、キッチン周りに取付け忘れる場合もあります。せっかく新しくしたキッチンも、コンセントは延長コードで取る必要があり、不便を強いられます。
以前は照明器具にコンセントがついている製品が多く、そこから取れば良かったのですが、今は照明器具も組み込みでコンセントがついていないタイプもあります。
キッチンのコンセント問題、最近はとても大きな問題になっています。
以前使っていたキッチン家電が置けなくなった
コンセントと共に多いのが、キッチンのシンク形状がかわったことによる問題です。
卓上食洗機や浄水器は、いまでも愛用されている方が多いのですが、キッチンのシンク形状がかわるとこれらを置けなくなることがあります。愛用していたキッチン家電が使えないと、キッチンリフォームのうれしさも半減してしまいます。
引き続き使いたいキッチン周りの用品はしっかり把握しておきましょう。
対面キッチンにしたら狭くなった
家族の顔が見えると人気の対面キッチンですが、以外と面積を取ります。
「対面キッチンにしたら通路が狭くなった」
こういう声をよく聞きますが、対面キッチンにするにはある程度の広さが必要です。無理に入れてしまうと通路が狭くなり使い勝手が非常に悪くなります。特に、調理器具の出し入れや移動が大変になってしまうので注意しましょう。
IHにしたら調理器具が使えなくなった
IHは火を使わず、火災の心配がすくないので最近は人気が高くなっています。しかし、IHは対応する調理器具しか使えず、ガスコンロで使っていた調理器具が使えないこともあります。
例えば、土鍋や陶磁器、耐熱ガラス、アルミなどはIHでは使えません。中華鍋など底が丸くなっているフライパンも使えません。オールメタル対応のIHなら使える鍋の種類は増えますが、それでもガスほど柔軟に対応していません。
IHにしたらほとんどの鍋が使えなくなった。そうならないようによく検討しましょう。
デザインの失敗例
使い勝手は使ってみないと分かりませんが、デザインは見た目で分かってしまうところが問題です。しかも、最初にせっちしたばかりは気がつかず、後になって気づくパターンが多くあります。
キッチンが暗い
キッチンの位置を変更すると、手元やキッチン全体が暗くなるという問題です。
特に、キッチンを壁付けから対面キッチンやアイランド型にしたときに起こりやすくなります。壁付けの場合はシンクのむこうに窓があって、自然光で手元が明るいことが多くあります。ところが部屋の真ん中に持ってくると、照明器具の明かりに頼ります。以前より暗く感じてしまいます。
汚れが目立つ
デザイン面を優先して、鏡面仕上げや白(もしくは黒)で統一といったときは汚れが目立つことがあります。
レストランのオールステンレスシンクに憧れて導入した場合によく起こります。油汚れや水染み、指紋が目立ち、どことなく汚く見えます。また、白や黒で統一した場合も、汚れが目立つ原因です。特に黒は意外と汚れが目立ちます。
デザイン面を優先すると、掃除がとても大変です。
散らかっているのが分かる
アイランドキッチンは家族との会話や、共同作業に向いていて、最近はとても人気があります。しかし、キッチンの手元すべてが丸見えになりますので、散らかり具合が分かってしまいます。
調理中の食材の破片や調理器具、食事が終わった後の食器類が丸見えで、くつろぎの時間を十分に持つことができません。来客時も片付けておかなければなりませんので、常にプレッシャーがあります。
オシャレなキッチンを保つには、それなりの努力が必要です。
デザインが周辺と合わない
キッチンの予算を抑えすぎてしまい、キッチンまわりの収納や壁紙などとデザインがちぐはぐになってしまうこともあります。
キッチンリフォームではキッチン全体のバランスを見てデザインを検討する必要があります。どちらかがあまりに偏っていると、アンバランスなデザインとなり、イマイチな仕上がりになります。
メンテナンスの失敗
キッチンをキレイに保つにはメンテナンスも必要です。キッチンリフォームをしたのにメンテナンスに手間が掛かっては仕方ありません。
壁や床が汚れに弱い素材だった
キッチンリフォームで盲点なのは、キッチンの周りの素材です。キッチン本体は汚れに強く、落ちやすいように設計してありますが、周囲の素材は汚れに弱い素材を使ってしまっては仕方ありません。
最近、床材として無垢材が人気です。しかし無垢材は油や水分を吸収してしまうので、汚れやシミになります。壁紙も、アクセントにオシャレな壁紙を選んだために汚れが目立ってしまうということもあります。
キッチンリフォームの際は、キッチン周りの素材にも気を使いましょう。
人工大理石のシンクに汚れが付く
人工大理石のシンクは、色柄も多く、水拭きだけでキレイになる製品が沢山あります。
しかし、人工大理石は表面がステンレスに比べて弱いので汚れやキズがつきやすい欠点があります。お鍋を引きずったときのグレーの線、醤油やソースなどの色の濃いものは色素汚れが残ります。
キレイな人工大理石のシンクを保つには、いろいろと工夫が必要です。
汚れが付いてしまうIHのプレート
IHのガラストッププレートは、スキマがなくお掃除がラクという印象があります。
しかし、鍋に付着した汚れが焦げとなってプレートに付着します。こびりついた汚れは頑固で、非常に落ちにくい汚れです。
換気扇が掃除しにくい
最新式のレンジフードはとても掃除がしやすくなっています。
予算を押えて換気扇にしてしまったため、レンジフードより掃除しにくく手間が掛かってしまうことがあります。羽ついた油汚れはなかなか落ちません。
できるなら、換気扇より掃除のしやすいレンジフードがオススメです。
タイルで失敗
流行の北欧風キッチンにしようと思い、タイルを採用したところ目地に油が溜ってしまった。
タイル自体は汚れが落ちやすく掃除はラクだが、目地までは気を使っていなかった。垂れた油が目地に付着してしまいなかなかな落ちない。目地も白を選んでしまったので、汚れが目立ってしまう。
タイルは確かに掃除のしやすい製品ですが、昔からタイル目地が悩みどころになります。
キッチンリフォームを成功させるためのポイント
キッチンリフォームで失敗しないために、下記の3つのポイントが重要です。
- 自分の好みをしっかりと把握しておくこと
- ショールームや工事店のアドバイザーに相談して良く話を聞くこと
- 自分で失敗談や経験談を集めておくこと
この3つを、上から順番に押さえておけば、失敗を最小限にできます。失敗しやすい原因は、自分がどのようなキッチンを作りたいかはっきりしないところにあります。アドバイザーは沢山の知識を持っていますが、お施主様自身ではありません。お施主様自身がしっかりとした「理想」を持っていれば、それに沿ってメリット・デメリットを提供してくれます。
上記の3つを押さえて、キッチンリフォームに望みましょう。
まとめ
今回はキッチンの失敗事例についてお伝えしました。キッチンの失敗事例を知っておけば、理想に近いキッチンリフォームを実現できます。
「失敗学」という分野があるように、失敗から学べることは沢山あります。
この記事が少しでもキッチンリフォーム成功へのサポートとなりましたら幸いです。