【比較】床暖房とホットカーペットの違い!電気代が高いのはどっち?

冬の寒い時期になると足元の冷えに悩まされる人も多いのではないでしょうか。そんなときの暖房方法として候補にあがるのは、「床暖房」や「ホットカーペット」になるでしょう。それぞれにはどのような特徴があり、違いもあまりわからないと次のような悩みが出てくるかと思います。

  • ランニングコストはどっちが高いの?
  • 暖まるスピードに違いはあるの?
  • どっちが丈夫なの?

そこで本記事では、「床暖房」と「ホットカーペット」の違いについて、6つの項目で徹底比較してみたいと思います。足元が寒く、これから何かしらの床暖房を導入しようと考えている方の参考になりましたら幸いです。

違いはどこに?床暖房とホットカーペットを6項目で徹底比較

床暖房とホットカーペットの違い

床暖房とホットカーペットの違いについて、6項目で比較してみました。その結果が下記となります。

 床暖房ホットカーペット
熱を伝える方法×
暖まるスピード
初期コスト×
運用コスト
室内空気の汚染度
耐用年数

ホットカーペットはフローリングの上に敷く電気式床暖房と思われるかもしれません。しかし、床暖房と比較して耐久性に問題があったり熱の伝え方が違ったりと、様々な部分で異なる点があります。その辺りをもっと掘り下げてご紹介します。

熱を伝える方法の違い

熱の伝わり方には、「伝導」「対流」「輻射(ふくしゃ)」の3種類があり、床暖房は遠赤外線を利用した「輻射」による暖房方法であることが大きな特徴です。

  • 伝導:物質が熱を伝える
  • 対流:液体や空気(流体)が熱を伝える
  • 輻射:電磁波が熱を伝える

「輻射」によって伝わる熱は、空間を移動し物体に到達することで熱を発生させます。したがって床暖房による熱は、「輻射」によって空間を移動するため、室内全体を暖める効果があるのです。

ホットカーペットは、「伝導」による暖房方法となります。物質によってのみ熱が伝わるため、接触している部分だけを暖めます。したがって、ホットカーペットは接触していない部分についての暖房効果は期待できないことから、場合によっては他の暖房機器との併用が必要となるかもしれません。

暖まるスピードの違い

床暖房は適温になるまで一定の時間が必要です。短時間に暖めることは苦手としているため、あらかじめタイマー設定をしておくなど対策が必要となるシーンもあるかもしれません。

ホットカーペットは、暖まるまで比較的早いことが特徴です。より早く暖まりたい場合は床暖房よりも適していますが、その場を離れると暖房効果は期待できません。

初期コストの違い

床暖房を導入するには専門工事が必要となることから、一定の初期コストが必要です。暖房方式によって初期コストは大きく変動するため、どのタイプを選択するのか検討が必要となるでしょう。また新築とリフォームでも初期コストは変わります。とくにリフォームの場合は、「張り替え」か「重ね張り」のどちらを選択するかによっても、大きなコストの差が生じます。

ホットカーペットは、安い初期コストで導入できます。「楽天市場」や「amazon」などネット通販で購入して、工事をすることなくすぐに暖房効果を得られる手軽な方法です。

運用コストの違い

床暖房の運用コストは、採用する床暖房方式によって変わりますが、ホットカーペットよりも電気代など光熱費は高くなることが一般的です。また温水式床暖房の場合は、熱源設備のメンテナンスコストも必要になる点は押さえておかなければなりません。

ホットカーペットだけ使用する場合は、それほど電気代が高額になることはありません。ただし、暖房効果は接触している部分に限定されることから、他の暖房機器と併用することも考えておく必要があり、結果的に光熱費が高くなることもあります。

室内空気の汚染度の違い

床暖房は、燃焼系暖房機器のように運転中に空気を汚染する物質を排出することはありません。またエアコンのようにカビやほこりなどのハウスダストを室内に舞い上げることもありません。

ホットカーペットも、床暖房と同様に、運転中に汚染物質を排出したり、ハウスダストを舞い上げたりすることはありません。ただし、暖房効果は接触している部分に限定されることから、他の暖房機器と併用することがあると室内の空気汚染につながることがあります。

耐用年数の違い

床暖房の耐用年数は30年以上とされているため、建物の耐用年数と同等と考えてよいでしょう。ただし温水式床暖房の場合、熱源設備の耐用年数がおよそ10~15年と床暖房よりも寿命が短くなります。

ホットカーペットの耐用年数は、およそ10年程度が目安とされています。

結論:ホットカーペットは床暖房の代わりにはなりにくい

床暖房設置

足元を暖める効果が期待できる暖房機器として、床暖房とホットカーペットを比較してきました。ここからは、床暖房の代わりとしてホットカーペットを活用することが可能なのか考えてみたいと思います。

床暖房とホットカーペットを比べてみた結果として、それぞれの性質はまったく異なるものとして考えたほうが良いです。

床暖房は輻射熱で部屋全体を暖める効果がありますが、ホットカーペットは接触部分に対してのみの効果しか期待できません。したがってホットカーペットに床暖房と同様の効果を期待することは難しく、ホットカーペットを利用する場合は特徴をいかした使い方をすることが必要となるでしょう。

ホットカーペットを導入するなら

ホットカーペット導入するなら、短時間でかつ暖める範囲が決まっているシーンで活用すると便利です。

ホットカーペットは初期コストが安く、手軽に持ち運びができるなど利便性に優れます。また立ち上がりの時間が早いため、すぐに暖を取りたい場合も床暖房より効果を発揮するでしょう。子供が遊ぶときや家事の合間に休憩するとき、あるいは来客時に素早く暖めたいときなどは、短時間で、暖める範囲も限定した使い方となります。

しかし接触している部分しか効果が得られないため、行動範囲が広がる場合は他の暖房機器との併用を検討しなくてはいけません。したがって高熱費をできるだけ抑えたい場合は、暖房効果が限定されるホットカーペットよりも床暖房のほうが結果として有効となります。

まとめ

ホットカーペットを床暖房の代わりとして活用することは難しいといえますが、スポット的にうまく使うことで効果を発揮するシーンもあるでしょう。

ただし取り扱いに注意が必要な場合もあります。例えば床仕上げ材に直接置いて使用すると、結露などが原因で湿気がこもり、フローリングを傷めたり、畳にダニが発生したりする場合があることです。とくに賃貸マンションの場合は、敷金の返還にも影響することがあるため注意しておきましょう。使用しないときはこまめに片づけたり、断熱性能のあるものを敷いて使用したりするなど工夫も必要です。

一方で床暖房は、片づけなど面倒な作業やメンテナンスも必要ないうえ、室内全体を暖める快適性の高さという点でオススメな暖房方法といえます。夏場にホットカーペットを片付ける作業がないので楽です。